【Z・特別講義5】


[音響用語の基礎]

 

第5回 寄稿
今回もご質問を頂いた中より、重要だと思われる定電流駆動について解説してみたいと思います。
文系の方には少々難解で、馴染めない内容だと思いますが、最後までお付き合い下さい。 
まず最初に、スピーカー駆動方法の本質論から始めましょう。
 

スピーカーは定電流駆動を何故しない?・・と言うご質問が複数寄せられております
これにお答えするには、スピーカーは何故定電圧駆動が必要かと言う論点から解説する方が、理解し易いと思います。 Audio入門者が理解する事が目的ですので、説明は少々回りくどいかも知れませんが、ご容赦下さい。 定電流駆動とは一体 何の事? から始めましょう。


スピーカーは、入力される信号の電力量を、音圧量(dB/m/W)と言う、音響電力に変換する素子です。このようなエネルギー変換器(素子等)トランスジューサーと申します。
入力されれるAudio信号の、周波数方向に於ける、音圧変換要件を考えてみましょう。
入力電力量と、変換される音圧量は比例する事が必須要件です。 又周波数軸方向では、可聴帯域内で完全に比例しないと、この目的は果たせません。 ・・と、申しましても完全はありませんが。。ここまでは、等しく共通認識として理解出来ます。

ここで周波数方向の変換を考えてみます。 磁界の中にコイルが有って、これが前後に振動する。
この場合電気的には、AMP側から見たスピーカー・インピーダンスは、高い周波数程大きくなる。
これがオームの法則ですよね。 まずスピーカー・インピーダンスの例を下図に示します。



この様に周波数方向のインピーダンス値は一定ではありません。つまり入力される電流量は、電圧が
一定ならインピーダンスが高くなる程、駆動電流量が低下する・ 従って、入力されるエネルギーは
高域で低下する。(当然の物理現象です) 以上より、インピーダンスが高くなっても電流量は変わらず
一定でないと、入力電力量が低下し音圧変換に於ける比例関係が保てない のでは・・・と考える人が居ります。 これがスピーカーは 定電流素子でなければ ならない・・云々の根拠です。


ここから先が解説です。
入力電力量に比例する形で音圧が発生するのは、スピーカー振動板の移動量によります。
これは機械振動エネルギー量です。 機械振動ですから、必ず振動板には質量が存在します
更にその振動板を支えるサスペンションがあり、これにも質量があります。 
これらは全部ひっくるめて、機械インピーダンスとして考える事が可能です。
ここで上図のfoを考えてみましょう。 foとは機械系の最低共振周波数の事です。 
機械振動も、電気振動も物理的な共振と言う現象からは、逃れる事は出来ません。


foの共振現象
とはエネルギーを加えると、機械インピーダンスが最小点になる周波数で、激しく振動する現象を言います。(この時振幅量は最大になります
この周波数は、サスペンション系の柔らかさ)+(質量等)の、機械的なインピーダンス特性で決まり、各スピーカーサイズ毎に、設計仕様で決まる特定の定数を持ちます。


f0領域で、最大振幅になると、磁界が及ぶ範囲内でボイスコイルの移動量も最大になります。
この場合、電気的にはインピーダンスが最大になる事と等価です。 この時電流量は最小になる。
つまり、機械的インピーダンス特性と、電気的インピーダンスは逆の関係になります。
従って、電流が流れないから、振動量は少ない・・とは限りません。


ここで、スピーカーは何故定電圧駆動する必要があるか? について考えてみましょう。
結論から申せば、スピーカー固有の電気的インピーダンス特性に合わせた、電流量(電力)を供給した時、はじめて周波数方向の音圧特性が、入力電力量に比例する形に設計されている。
つまり、周波数軸上の音圧特性がフラットになるように、サスペンション系と振動板をチューニングしている。 入力電力量が、周波数軸方向で比例しなくても、音圧比例するように、機械的インピーダンス特性マッチングさせる設計を行う。


スピーカーの根本的な振動特性として、高域側振動領域振動板が軽い故音響変換効率が高
く、周波数が低い領域では振動板が重い故に変換効率が低いと言う基本特性があります。 
この意味は高い周波数領域では、駆動電流量を減らした方が、周波数対音圧特性はフラットに設計
しやすいと言う事になり、これを無理やり定電流駆動すると、入力電力量と音圧が比例しない事態になります。 2-Way以上ではTweeter Unit側に減衰抵抗を挿入する理由は、ここにあります。


特にフルレンジ型スピーカーでは、ネットワークの代わりに、振動系の機械インピーダンスをチューニングして、音圧周波数特性を合わせ込む必要がありますので、これを無理やり定電流駆動すると、高音側の音圧が高くなり過ぎ、更にf0付近の周波数では、他の周波数領域と同じ電流を供給しようとしますので機械系としては、より強く振動せよ! と制御がかかる訳です。


f0付近で定電流駆動すると、振動板の移動量サスペンションの支持限界を超えボイスコイルが磁界からはみ出し最終的には、磁気回路の金属板に激突する事になります。(これを底突きと申します)
最悪は、ボイルコイルの巻線構造が破壊された場合、磁気回路を構成する狭いエアーギャップの中で物理的に固着して移動不可能な状態に陥ります。 


磁界の中で固着した状態は、電気的には回路のショート状態と等価となり、ここに音楽信号を加え続けると、ボイスコイルにショート電流が流れ、コイルが燃え振動板に着火する事故に繋がります
以上の理由で、定電圧と言う大前提が崩れると、周波数方向の振動音圧特性が、入力電力量に比例しない事態となります。 定電圧駆動が前提で設計されたスピーカーを、定電流駆動すれば、所謂ドンシャリ型の音質へと変貌します。

 
もう少し丁寧なご説明をすれば、電流制御を適切な値(スピーカーの振動能力範囲内)でかけるなら
音質改善への道は開けましょう。 しかし、サスペンション系は長時間使用で必ずヘタリます。
つまり更にf0が低下する方向に必ず作用します。 この意味は使い続ける程、サスペンション系を深く
傷付けfoが下がり続けと言う悪循環を生みます。


故に、低音領域を定電流駆動すると、大電力再生では、短時間でサスペンション系が破綻します。
破綻すれば最悪の場合火災の危険性があると言う意味です。
又、スピーカーと定電流駆動AMPをペアーで設計しても、大電力領域では信頼性を担保する事は
非常に困難だと判断します。 以上の理由で各製造メーカー共、AMP単独で本格的な電流NFをかける
定電流駆動型AMPの商品化には、手を出せない と考えております。(NF:Negative feedback)


小電力が前提の、例えばラジカセ・TV音声等であれば、電流NFを前提としたスピーカーシステムと、
AMPをペアーで総合設計し、長期の品質保証が担保された場合、良いシステムとなりますし、既に商品化の例があります。


この定電流駆動に似た処理手法として、信号を加工し音圧周波数特性を強制的にフラットにする方法もあり、既に商品化されております。 専門的には、音圧の逆伝達関数をデジタル演算で畳み込み、強制的に音圧をフラットにする事が可能です。 
この手法も電力容量が小さい製品に限られ、スピーカーとAMPが一体で製品保証されております。


似た手法として、車載用Audio機器で採用する、車室音響空間の音場補正システムがあります。
車載Audio機器では、車室の定在波補正(車室のコモリ音除去)を行います。
この場合、音場空間の周波数特性を電気的に補正し、聴取位置でフラットに再生する事を目的としますが、スピーカーの基本的な能力限界を超える補正をすれば、定電流駆動に等しくなります。
車載用の補正スピーカーの再生限界を心得た上で、その実力に応じた補正係数を与えます。 
これが音場補正の基本的な考え方です。


結論として、定電流駆動に似た補正をする商品は沢山存在しますが、ハイパワー領域で再生する本格的な電流NF-AMPの商品が存在するなら、それは、製造業者の責任の及ぶ範囲内で商品化したものでありましょう。 筆者なら特定の定電流駆動を前提としたスピーカー装置と、ペアーで商品化するのが信頼性担保の見地から望ましいと考えます。(実現すれば更なる音質向上に寄与する筈です。)
スピーカーとパワーAMPが別々の製造業者から提供される現状では、以上の理由でAMP側のみ本格的な定電流駆動する商品形態は、ビジネスとして成立しない(出来ない)のが現実だと観じます。
AMP付きスピーカーの形態で、ハイパワー領域でも、AMPとスピーカーで相互補正する形の、商品化例が既に有るかも知れません。(海外製品に確かあったような記憶が・・? 国内のハイパワー例は?)以上の解説で、ご納得が頂けましたでしょうか?





§5 音響機器で使う用語の基礎

Audio機器カタログを見ると、各種専門用語が沢山出てきますが、この内主要な用語を解説しましょう。この正しい知識を元にしてAudio機の評価眼を養って頂きたいと思います。


5-1.ダイナミックレンジとS/Nは何が違う?
ダイナミックレンジとは、そのシステムが持つ最大振幅(歪まないレベル)と残留ノイズとの電圧比の事を言います。 この残留ノイズとはプリAMPなら入力端子を600Ωでショートして測定しますし、パワーAMPなら、ボリュームゼロにしてその時の残留雑音の電圧を計測します。これがアナログ時代のルールでした。各記録再生系のダイナミックレンジの例をご紹介します。



デジタル機器のダイナミックレンジの計測方法
アナログ機器と違いデジタル機器のダイナミックレンジの測定は異なっております。
http://www.jeita.or.jp/japanese/standard/book/CP-2150/#page=1   詳しくは左記を参照下さい。

図5-1に示す測定回路で計測します。
SGはデジタル信号の発生器で、MSBから-60dBで1kHzのアナログ量に相当するデジタル信号を発生し、これをデジタル機器に入力します。
何故―60dBかと申しますと、これは振幅量が大きいエリアでの非直線歪成分の影響を避ける目的でレベルの低い値を選択します。


そしてデジタル機器から出力されたアナログ信号を60dB増幅します。(測定系のS/Nを確保する目的)これをデジタル処理に伴うサンプリング周波数の残渣成分をLPF回路で除去します。
これを聴感補正回路―Aカーブと言うフィルターを通して、1kHzの-60dBに於ける信号の歪成分を測定します。(これはノイズ成分を含んだ形です)
つまり、デジタル機器の-60dBの信号レベルから下の(S/N)+(歪)を測定している事と等価です。例えば、歪率計の読みが、1%歪なら、(歪+ノイズ量)は-60dBの信号に対して1/100の誤差成分となり、-60+(-40)=-100dB と求まります。 つまりMSBから下に―100dBの処理能力がある訳です。 つまりダイナミックレンジは100dBと表現されます。


聴感補正―A カーブとは?
これはノイズの聞こえ方を、人間の聴覚特性に合わせて計測しようとするものです。 その周波数特性を図5-2に示します。この測定フィルターカーブの規格は、IECで審議され国際規格になっております。通常この聴感補正を入れて計る場合と、フラットな周波数で評価する場合と両方あります。
当然フラットな状態で計測する方が、物理量としては悪く出ます。 


この測定手法は、筆者がDATを開発していた時代に決まったもので、約25年の運用実績があります。
実は・・このダイナミックレンジの表現手法は、デジタル信号処理ではとてもシビア(厳しい)な測定手法ですが、アナログには適用されません。 故はノイズ付近の性能がアナログでは確保出来ないからです。
カセット式テープレコーダーに至っては、そもそも―60dBの信号は表現不可能です。


信号の最大レベル付近の歪成分を持ち込まない思想は、アナログ式にも言えますが信号が飽和する直前の信号リニアリティー(直線性)は、デジタル式に遥か遠く及びません。アナログ信号の再生波形は飽和しておりませんが、歪率がとても悪いのです。
過去の記憶を頼りに、磁気記録式装置と最近のデジタル記録再生と比較して、図5-3に示します。

 

図5-3の記録再生時の歪と、ダイナミックレンジ測定時の歪は、関係が無いのでご注意下さい。
デジタル処理すると、アナログを含んで性能が良くなると、誤って信じている方がおりますが、
デジタル処理しても、アナログ信号の限界性能以上には決して良くなる事はありませんのでご注意
下さい。 つまりアナログ信号処理限界デジタル性能の限界です。
アナログ機器で示した、ダイナミックレンジとは、単純に最大振幅電圧とノイズ電圧の落差で表わし、

そのまま数値で表示しますが、このノイズも同様に聴感補正フィルター・Aカーブを通し計測しております。 
図5-2のカーブからも理解出来る通り、低域は耳の特性に合わせてカットされており、このままではハム雑音と呼ばれる商用電源から混入する、50&60Hzの交流雑音が正しく評価出来ないので、製品性能を保証する上で、このフィルターを除いて評価するのが、製造ラインでは一般的です。


デジタル機器のS/N
図5-1の60dB増幅器を除いて、Audio機器の出力端にLPFと聴感補正フィルターのAカーブを挿入
て測定します。
信号はデジタル信号発生機から、装置がフルスケールの状態になる信号を入れて、その時の電圧をBとし、次にデジタル発振器の信号を停止させた状態で、Audio機器から出るノイズ電圧Nを測定する。S/Nは、B-N=**dBで表す。 即ちS/Nとは最大振幅の電圧量とノイズ電圧の落差を指します。

尚サンプリング成分が直接関係しない場合は、LPF回路を省略して良い事になっています。
入力端子から通常はデジタルインターフェースを経由して、D/A(Digital to Analog)コンバータ―に
信号が送られますが、入力Dataがゼロ状態となりますので、DSP(Digital signal processor)で演算する機器は演算停止状態で計測する事になります。

従い、DSPの演算込みで計測する場合、通常動作状態よりは ノイズが下がる事があります。
なおデジタル機器の電気性能を計測する全てのルールは、下記に詳しく掲載されておりますので、詳細を知りたい方は参照してください。
http://www.jeita.or.jp/japanese/standard/book/CP-2150/#page=1
機器の実際の能力は、ダイナミックレンが表しておりますので、此方の値を使う事を推奨します。


5-2.図5-3の歪率カーブについて

5-3の歪カーブで、ノイズを含む歪カーブとあるのは、ある意味ではS/Nを計測している事になります。
即ち、電圧が低くなると歪が悪く見えるのは、信号電圧のSレベルが下がる為で、その分歪が悪くなったように見えます。


歪成分で、2次高調波から第10次高調波成分のみを抽出した合計値は、ノイズ分を除いて計測しておりますが、信号電圧が低くなれば、この歪み成分とノイズ成分の弁別が計測器で出来なくなり、同様にノイズ成分を包含した形となり、電圧が下がったら歪率が悪くなったように見えます。
歪が0.001%とは、倍率に変換すれば元の電圧量に対して、歪成分は1/100000と言う意味です。
同様に0.1%とは、元電圧に対して1/1000です。
何れにしても人間の聴覚特性は、歪が1%以下ならこれを聞き分ける事は出来ません。
ともあれアナログ式磁気記録の時代から、デジタル時代に技術進化する事の意味を、図6-3のグラフは教えてくれます。 その意味から技術遺産的なデータとなります。


5-3.リニアリティー(直線性)

入力信号電圧に完璧に比例する形で、Audio機器の出力側に処理した電圧が出てくる場合は、歪率は0%ですが、残念ながら増幅するとか、デジタル信号に変換し、これをアナログ信号に戻す段で、この比例関係が保てず、1:1の比例関係が崩れます。


この崩れる程度を計測するのが、歪率を測定する事になります。
歪成分を分かり易く示した波形を図5-4に示します。(作画が下手で波形が歪んでいますがご容赦)

 



基本波・・測定するサイン波の波形

二次高調波・・1周期に2倍の周波数成分

三次高調波・・1周期に3倍の周波数成分

分かり易いように歪成分の内、2次と3次のみ高調波成分を表示しました。

図5-4から分かる通り、半周期分の歪成分を比べると
3次(奇数次)成分は、上下で振幅積分すると残りますが、2次(偶数次)は上下加算すると歪成分としては無くなる事が分ります。


俗に言われる、これが奇数次高調波成分は耳に付き易いが、偶数次は分かりにくいと言われる所以で す。 この歪成分の内、通常2次から10次までの合計分を求め、元の基本波成分と比較し、この差を%で 表したのを歪率と申します。 (演算式は次頁参照)


デジタル変換に於けるリニアリティーに関して簡単に解説します。

A/D(Analog to Digital) to D/Aコンバータ―の変換誤差について表したのを図5-5に示します。
図5-5は、アナログ信号を入れA/D変換した後再びD/A変換して、アナログ信号に戻した時の直線性に関する、誤差の全体像を示したものです。
このように沢山の誤差要因が含まれます。


オフセット誤差
図5-4の破線に示す如く波形の上下でセンター位置が、何方か一方に偏る誤差です。


フルスケール誤差
アナログ量の最大振幅に対して、±何れかの方向に電圧が合わない分の誤差です。
その変換途中の直線性が、理想値から外れている分を直線性誤差と申します。
オフセット誤差フルスケール誤差を加味した総合的な誤差量が、ゲイン誤差となります。
入力と出力は 1:1 の比例関係を保つ事が必要ですが、沢山の要因で理想から外れます。


図5-5のリニアリティーカーブの中で、最も恐ろしい誤差がオフセット誤差になります。
この意味は、波形の上下方向の何方かに、直流(DC)のオフセットが乗った事と等価になります。
このDCオフセットが発生すると、スピーカーに直流が流れ、発火事故に繋がります。

パワーAMPでは、このCDオフセット事故に対処する為、保護回路を装備しております。
デジタル信号回路から、信号としてDCオフセット成分が入力されると、同様に保護回路が動作します。
デジタル回路のA/D又はD/Aで、DCオフセットが発生しない様に、直流信号をフィルターでカットして
おります。 (パワーAMP単独でオフセットサーボ回路を用い、事故防止を図るのが一般的です)
以前はDCまで処理しておりましたが、温度変化でDC電圧が動きLSIの中で処理困難と言う理由からデジタル信号に変換された段階で、DC帯域(概ね1Hz以下)をカットしております。
図5-5に示した直線性誤差は、歪率として評価されます。
この場合ノイズを含めた形の、THDTotal harmonic distortion)として評価し、カタログ表示されます。ノイズ電圧をN 各高調波成分の電圧V2 ~V10 と 基本波電圧をV1 とすれば、歪+ノイズNは電力として表しますので、下式の形で表す事が出来ます。
この2次から10次までの歪成分は、スペクトラムに分解して夫々周波数軸上に、電圧として抽出します図5-6のようなイメージです。                    


5-4.位相

信号波形で比較表現すると、図5-7に示す様な表現となります。

  

                          

180°の場合は、半サイクルの進み&遅れと表現します。
よく使われる言葉で、逆相と言う言葉がありますがこれは 180°の時間差に相当します。
スピーカーの+端子と-端子を入れ替える事はこの逆相 に相当する事になります。
スピーカーの+端子は後ろ側から見て、必ず左側が+端子で、右側が-端子になっております。
+端子から-端子の方向に電流が流れるとスピーカーの振動板は、前に出るように設計されております。
この逆に電流が流れると、後ろ側にへこみます。信号伝送用AMPも同様に、入力信号の位相と、増幅後の位相が、等しくなるように位相が設計されます。
入力側の振幅位相と、出力側位相逆になれば、違和感を覚えます。(聞き分ける事が出来ます)


システム全体で、信号源からスピーカーの振動方向まで、位相は完全に合わせる必要があります。
まったく同様に、電源エネルギーの商用周波数である50Hz/60Hzの極性に対しても、Audio機器は全位相を合わせるように設計されております。
この様子を図5-8に示します。



壁のコンセントは、巾が狭い方+側で、広い方-側になるように、必ず配線されております。
(法律で決まっています)
そして、電源ケーブルは-側に相当する側には白線が引かれるか、又は突起状のヒゲとか文字によるマーキング等で、極性が分かる構造が一般的です。
Audio機器の場合、この電源の極性管理をする事が一般的です。

図5-8に示す通り、給電ラインの+側は、変圧器一次側巻線の巻終わり側に接続され、その反対側の巻スタート側は、給電端子のGND側に接続され、製造時に組み立てが管理されております。


何故このような事をするか?

給電端子の極性を、増幅位相正しくマッチさせた時、始めて機器の音質性能が担保されるよう
配慮されるのが一般的です。 時々ネット上などで、給電側の極性(位相)は関係ない・・なる
無責任な記述が散見されますが、これは大きな間違いです。
全てのAudio機器の極性を正しく合わせた時、始めて各機器の持つ音質性能が発揮できます。


チェック方法は音楽ソースを再生し、低音が中央にシャープに焦点を結ぶなら、極性は合っておりますが、低音が耳の後側に回り込むような、焦点が合わない感じであれば極性は逆と判断します。極性を無視出来る設計は、非常に困難な次第です。(手法は存在しますが高価な機器になります)
Audio機器の、本来持っている音質性能で動作させる為に、電源の極性を正しく合わせる事を推奨します。 設備投資ゼロで改善出来ますので是非お勧めします。(テーブルタップお使いの方はご注意)


この次元の音質の違いは、何方が聞いても分かる程の変化を生みます。
もし変化が無いなら、素晴らしいAudio装置であるか、又は逆にまったく装置の実力を発揮していないか何方かでしょう。
家庭の屋内配線で、この極性がいい加減な工事をしている例があると聞きます。(法律違反)
この場合も含め、コンセント毎に極性を合わせ込む事を推奨します。
手順は、扱う電力が一番大きい機器から始め、だんだん消費電力が少ない機器の方向に向かって
チェックをすれば良いでしょう。


本日も紙面が尽きました。 次回はいよいよ皆様が一番ご興味のある、パワーについて取り上げてみたいと考えます。


本日も貴重な紙幅を拝借し感謝いたします。                             筆者拝


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